あの後、オバターとそのゆかいな仲間たちで一緒に色々な新歓を回った。
ゴールデン・モラトリアムとか、思ったほど酷くはなかったよ。
ただ、気づけば5月は終わった。もうそろそろ決めないと本当にまずいだろう。
ミ「そういうわけでどうするよ、オバター」
だから僕は今、オバターと作戦会議中だ。
ミ「そういえば、モブ男くんたちは?」
オ「あー、あいつらか? あいつらは首尾よくサークル入ったよ。早くも彼女できたらしいぜ」
ミ「うわー、マジかよ! 僕らも早く決めないと!」
彼女とか、年齢=いない暦な僕にとっては、非常に焦る話だ。
ところが、オバターはなぜだか暗い顔をしている。
オ「そうだけどよ、こんなにあったら逆に決められねえよ」
そういうオバターの手帳には、
「モラトリアム・ゴッド2」
「ユーテ・ワンチャン・チェケラッチョ」
など、この間よりグレードアップした名前がリストアップされている。
ミ「(こいつ、センスはなさそう…)」
でも、確かにそうだ。このままでは情報を使うつもりが、情報に押しつぶされてしまう。
「どうしたのよー! 未来ある若者が暗い顔しちゃって〜」
ミ・オ「「そ、その声は?!」」
ミ「ってか、そんなことやらないでもわかってますよ、もう」
そう、もはやおなじみ(なのか?)のキモエさんである。
相変わらず人に一抹の不安とほのかな恐怖を与えるお姿は変わっちゃいない。
キ「まーた、そんな冷たいこと言っちゃって〜。本当は嬉しいくせに〜」
頼むから、僕らにダル絡みするのはやめてほしい。
キ「で、まああんたらサークルを決めることに今度は困ってるんでしょ」
オ「そうなんです! 姐さん、なんとかしてくれませんか??」
こうなると断れないのがキモエさんだ。
キ「もう、本当に仕方ないわね! カモン、ホワイトボード!」
オ「へえ! こちらに!」
もうなんなの、この人たち……。